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執筆者の写真乙訓もも

第3回ひきこもりに関する学習会を開催しました!


今日は令和6年度 京都府ひきこもり相談・訪問支援「チーム絆」地域推進事業のによる

「第3回ひきこもりに関する学習会」を開催いたしました!




















講師をお願いしたのは 相談支援事業所しぽふぁーれ代表の金井浩一さんです。

























金井さんには4年連続で登壇いただいており、学習会の度にひきこもり支援に関して、

新しいキーワードを提示くださるのですが、今回のテーマは「世界観に寄り添うケア」。



前回の野々村光子さんの講演でも「本人の見ている景色が見たい」というタイトルで

お話してくださったのですが生きづらさを抱えてしまった本人はどのような価値観を持ち、どのような世界観で生きているのか?ということを知ろうとする姿勢は支援者には必ず

求められるものではないでしょうか?



そして、そこに「ケア」というキーワード。























さて、どんな学習会だったのでしょうか?



まずは金井さんの自己紹介からスタートし、どのような方を対象に仕事をされていて、

何を大切にして日々当事者と向き合っておられるかをお話しくださいました。















ここで印象的だったのは、

地域を「人びと」、利用者、当事者、家族、地域住民を「人」として捉えて、

地域と人を分けない。人びとの中の人と人が出逢い直すきっかけ作り、

黒子役が自分の仕事と捉える。


チームコミュニティーでかかわり、チームのリーダーは常に本人とすること。


というフレーズでした。


チームリーダーは本人。

確かにそうあるべきですよね。支援者はあくまで支える者側です。


そして当事者家族にもチームに加わっていただく場合もあるとのことでした。






そして、ひきこもり状態にある方の背景(生物学的・心理的・社会的側面)や

障がいのある方との共通点について、説明してくださいました。




それは、当事者にとって一番大切なことは「社会参加」ができているか。

社会の一員として生きている、認められている、生活者としての実感を持てているか?


「障害者」の支援の目的は、

「機能障害」(病気や疾患など)を改善することだけでなく、

それ以上に「社会的障壁」をなくし、生活者としての実感を持てること。


ひきこもり状態にある方の支援の目的も社会的障壁」をなくし、

生活者としての実感を持てること。


この2点が共通点ということでした。



生活者としての実感・・・

自分の人生を自分が主役として生きているか、そう言ったことにもつながりそうです。。





ここでこの図を示され、

本人の捉え方として、「客観的次元」と「主観的次元」の両面があり、

「主観的次元」を主観的な体験として捉える。


「主観的体験」は決して、客観的な物差しでは捉えることのできない世界で

この「主観的体験」を私たちは本人の「世界観」として捉える必要があると話されました。


「世界観」というキーワードが出てきましたね。



そしてここがポイントなのでパワーポイントをそのまま引用させていただきます。





本人の世界観を肯定し、そこに生きる本人ももちろん肯定する。

生きづらさの軽減のために何ができて、何をしなくてもいいのか

これらを見立ててる必要が私たちにあるのです。




さらに、かかわりのプロセスで提供したいものはその人の「リカバリー」で

病気が治癒する、といったことではなく、その人がその人らしく、自分の人生を自分の足で歩んでいるという実感を得ることを提供したいと述べられました。



そして、ここから「世界観に寄り添う」とはどういうことか、核心に入っていきました。


まず、リカバリーに向けて

対象者の各ステージの状態とかかわりが提供するものについてや、

ステージを意識した支援プロセスについて教えていただきました。






本人の状態に合わせて、ニーズに沿って、提供するものが異なるということですね。

これは支援のどの場面でも当てはまることではないでしょうか?


このあたりは毎回お話になる内容ですので、かなり重要な肝になる部分だと感じています。


そして、この後は事例を5つ紹介してくださいました。



金井さんが紹介くださった事例はどれも簡単ではないケースでしたが、

ここまでの講演の前半部分を聞いた上で紹介いただくと、お話しくださった通りに

実践されていることが本当に理解しやすかったです。






どのケースにおいても本人の世界観に入り込み、共有し、肯定する。

そして「Being(ともにいること)」から始めておられました。




そして、包括的支援のステージから支援が機能分化していくステージに移行し始めると

「Doing(サービス利用など、本人が動くこと)」の支援を実践されていました。




そして、その人のリカバリーに向けて、その時のステージに応じて積み上げていく

各要素をオーダーメイドで支援していくのだそうです。



これは乙訓ももでも目指している地域内外を問わず、様々な社会資源による、

本人のニーズに即したオーダーメイド型の支援をチームで提供することと同じですね。


そして、もう一つの大切なキーワード、「ケア」。




私たちが知っている「ケア」とは少し意味が異なるように感じます。




それは当事者にとって最も大切な「ケア」=「かかわり」で、

当事者その人個人にとっての「生きること」、それを肯定すること。

「本人」の物語が、「私たち」の物語になっていくこと。ケアとはそういうこと。



みんな、それそれ違う。

そそて、上に書かれているように支援者も揺れる、思案する・・・

揺れていい、思案してもいい・・・


そのようにあることが「ケア」であり「かかわる」ということではないでしょうか?



そして、この揺れの中で当事者を「ケア」することで、

自分(支援者)も「ケア」され、エンパワメントされている。


「ケア」し「ケア」されている、関係性が生まれる。

お互い様の関係性。


実にフラットではないでしょうか。



病理やひきこもり状態にあることに着目するのではなく、本人に人として関わる、

それを実に理解しやすく説明していただいた学習会になりました。



今日ご参加いただいた、行政や支援者、関心のある方、地域住民の方々からも

アンケートで高評価をいただいており、実に有意義な、学び多い、勇気が出る、

最高の時間になりました!

















いつも誠実に質疑応答に対応くださる金井さん。

内容の濃い質問が多かったように思います。

また当事者ご家族から、本人のことを以前とは異なるように捉えることができそうですと、

感想を述べられたことが、とても素晴らしいと感じました。



相談支援事業所しぽふぁーれ代表の金井浩一さんを講師にお招きして開催した

「第3回ひきこもりに関する学習会 世界観に寄り添うケア」。



無事終了。



金井さん、今回も素晴らしい学習会をありがとうございました。

これからも引き続きよろしくお願いいたします!!




次回、「ひきこもりに関する学習会第4回」は来年1月16日木曜日午後に開催予定です。

今年度最後のこの学習会にはひきこもり経験者に登壇いただく予定ですので、

当事者の言葉を是非お聞きいただきたく、ご参加ください!




  

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