今年度第3回目のひきこもりに関する学習会を開催しました!板垣さんのありのままをお聞きいただきました!
- 乙訓もも

- 04false27 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)
- 読了時間: 5分
11月6日に今年度第3回目のひきこもりに関する学習会を開催しました!

今回登壇いただいたのは板垣修平さん、23年間のひきこもり状態の経験者で
現在は働きながら当事者の居場所づくりを行っておられる方です。
板垣さんの居場所づくり「京都コレカラ」のインスタはこちら。
板垣さんとはちょうどコロナ禍の時に出会い、当時は居場所を始められたばかりでした。
それから今まで深く連携させていただくことはありませんでしたが、
今年度の学習会のテーマを「関係性」とした時に板垣さんに当時のことをお話しいただき、当事者としての家族との関係性や、現在、元当事者として当事者とどのような関係を
築こうとされているのかなどをお話しいただこうと思いました。

定員を増やしましたが定員いっぱいのお申し込みをいただき満席の学習会でした。
ですが、今年9月に開催された「みんなねっと京都大会」、
第17回全国精神保健福祉家族大会㏌京都の分科会で板垣さんの話を聞かせていただき、
テーマに沿ってお話しいただくより板垣さんのこれまでと現在をご自身の言葉で
ありのままにお話しいただき、参加された方からの質疑応答の時間を多くとることで、
板垣さんと参加者とのやり取りが生まれ、互いの関係性をつくる学習会にしてはと考え、
今回そのような設えにして開催しました。
板垣さんは中学校の頃に不登校状態も経験されており、何がきっかけと言うわけではなく、他人の顔色を気にしたりサッカーの部活動など、いくつかのしんどさが重なり
自宅にいるようになったそうです。
それが14歳の時で、そこから23年間の長きにわたりひきこもり状態で過ごされました。

その後、お母さまの突然のご病気をきっかけに外にでるようになられ、
何もすることがないとまた元のひきこもり状態に戻ってしまうと感じて、
外に出る仕組みを作ってしまおうとアルバイトをすることを決意されます。
そして某有名ラーメンチェーンの本店に自らの脚で赴き、アルバイトをしたいと申し入れ、後日、店長の面接を受けられたそうです。
提出した履歴書には書けることがほとんどなく、好きなことはサッカーと書いたそうです。
夏の時期なのに自宅から出ない生活をしてたため肌は真っ白で、
自分でバリカンで刈り上げた坊主頭姿のおっさんが真っ白の履歴書を持っていったと
当時のご自身の様子を語られていました。
そのラーメン店の店長は面接の際に多くを聞かず、サッカーの話をひとりきりした後に
板垣さんを採用されたそうです。
なんで採用してもらったのかいまだにわからないと話す板垣さんは、
その店長の対応がなければ今の自分はいないとおっしゃっていました。

また、バイト仲間の学生さんたちも板垣さんを特別視することなく受け入れてくださり、
なんとか一緒に働くことができたそうです。
しかしながら、ずっと自宅にいて本を読んだり動画見たりはして知識はあるものの、
皿洗い一つうまくできない自分にショックを受けたそうです。
頭でっかちだったとご自身で表現されていました。
それでも板垣さんは、ひきこもり状態に戻ることはイヤだと働き続け、
その後、職を変えながら現在に至っておられます。

直前まで用意されていた板垣さん。
一生懸命に取り組んでくださいました。
そして、いつもより長めに設定した質疑応答の時間。
ひきこもり状態だった当時から現在まで、板垣さんのリアルをご自身の言葉で
語っていただいたことで、参加者から積極的に質問をいただくことができました。

質問の中で親との関係性についてのものがあったのですが、
板垣さん自身もお母様との関係性がよくない時期があったそうで、
そんな時は何を言われても雑音やノイズにしか聞こえなかったそうです。
しかしながら当時は猫を飼っておられたそうで、
お母様とはその猫を通じてコミュニケーションを取ることができたそうです。
また、いつも遊びに来てくれた甥っ子の存在も大きかったとおっしゃっていました。
家族以外の第三者の存在が必要だったということですね。
そして、何がひきこもり状態から脱するきっかけになるかわからないので、
考えるだけではなく「何でもやってみることが大事」という言葉が強く残りました。

板垣さんは当時と今とでは性格が違うと話され、以前のこうあるべきという考えから、
まぁこれくらいでいいか・・・と思えるようになり、とても楽になったそうです。
働き出してとてもしんどくなったある時に、突如何かがパーン!と弾けて、
そう思えるようになったとおっしゃっていました。
これは板垣さん独特の表現で、とても興味深かったですね。

今回も米粉のクッキーをご用意させていただきました♪
そして、ひきこもり状態でいる時よりも外で出て働いている今の方がしんどいけれど、
その分新しいことと出会えたり、人に巡り合えたり、いろんな経験もできるので、
前のようには戻りたくはないとおっしゃっていたのがとても印象的でした。
それと同時にそのフレーズに強いメッセージが込められているように感じましたし、
会場には当事者や当事者ご家族もお見えになっていましたが、
アンケートを見ると板垣さんの言葉が確実に心に届いていたようです。
今後も板垣さんはご自身のご経験を話される機会があると思いますので、
みなさんにはぜひ、一度は耳を傾けていただければと願います。

ひきこもりに関する学習会第3回、とても濃い、有意義な時間にすることができました。
登壇いただいた板垣さん、本当にありがとうございました。
そして、定員を増やして参加人数いっぱいでお越しくださった方々、
ともに過ごし関係性を作ってくださり心より感謝申し上げます。
皆さんと一緒に作り上げた学習会でした。
ありがとうございました!




コメント