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執筆者の写真乙訓もも

ひきこもりに関する学習会第1回「ひきこもり支援の基本と8050問題」を開催しました!

更新日:2023年5月19日


乙訓ももが本年度も受託した京都府ひきこもり相談・訪問支援「チーム絆」地域推進事業で

今年度第1回目のひきこもりに関する学習会を本日開催しました!





地域で正しくひきこもり状態にある方を理解し支援を行なうために、今年度は

この学習会を年4回開催する予定で、第1回目は京都府家庭支援総合センターより

ひきこもり支援担当の廣田主査をお招きし、「ひきこもり支援の基本と8050問題」と

題して本日ご講演いただきました。



乙訓ももでは行政や支援機関において異動で新しく着任された職員さんもおられる

この時期に毎年第1回目の学習会を開催し、廣田主査にひきこもり支援の基本について

お話しいただいています。


何ごとも基本はやはり大切ですし、年度初めにもう一度基本を押さえて支援に当たりたいという思いもあります。


そんなことが伝わったのでしょうか?


多数のお申し込みをいただき、今日は定員いっぱいのご参加をいただきました!

みなさんの関心の高さが伺えますね。




















そして、今回はケースが動かず支援者が頭を悩ませることが多い8050問題を

クローズアップしたことも大きかったのかも知れません。


廣田主査のご講演はひきこもり支援の基本ということで、まずはその定義から始まり、

外出状況や原因、そして中高年層のひきこもり者の特徴を話されました。


ひきこもりの定義

  ひきこもりとは、様々な要因の結果として、社会的参加 (義務教育を含む就学、

非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヶ月以上にわたって

概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念である。

 (他者と関わらない形での外出をしていてもよい


「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」より


中高年層のひきこもり者の特徴として印象深かったのは、

•ひきこもりのきっかけは、職場不適応が最も多かった。ひきこもり開始年齢は、

平均31歳だが、10代~40代と幅が広い。

•就労経験のある方が多いが、うち7割が職場不適応を経験している。


という内容でした。


そして、昼夜逆転の生活になる、人目を過度に気にして避ける、

何もやる気が起きなくなる、イライラする、家族以外との関係が無くなるなどの、

ひきこもり時によく現れる本人の状態について説明の後にひきこもりの背景要因について

お話しくださいました。




ひきこもり状態は生物学的要因、心理的要因、社会的要因などが、複雑に絡み合って、

生じることが多く、原因が特定できないこともあり、「甘え」「怠け」「育て方の問題」 ではないと、強調しておられました。


ここ、すごく重要ですよね。


本人の甘え、怠け、育て方の問題ではないということは、

是非みなさんに知っていただきところです。



続いて、長期化し心的ダメージを受けていることが多く、背景に発達障害や時に、

精神疾患の発症もある中高年層のひきこもりの難しさと、8050問題の課題について

話してくださいました。  


8050問題は介護が必要な高齢者と同居するひきこもり当事者へと、1つの家の中に、

それぞれの支援が入ることになり、介護サービスとひきこもり支援の連携が重要に

なります。 


ここは質疑応答でも取り上げられたのですが、乙訓ももでもケアマネージャーさんと

一緒に自宅訪問することが増えてきており、連携を深めることがとても大切です。


















そしてこの後、事例を2つご紹介していただき、中高年層のひきこもり支援のゴールを

どこに設定するのかが難しいと訴えておられました。


ゴールを就労としても、躓くこともあるし、その時どこの支援機関が繋がっているのか、

相談に戻れる場所はあるのか、そもそも就労がニーズではない場合も・・・


これは本当に難しい問題ですが、本人・家族と何度も対話し関係機関を協議を重ねて

行くしかないように感じました。



そして8050問題で最前線におられる介護サービスの職員さんに向けて

支援者先で「ひきこもり当事者」がおられたらと題し、

支援の大前提として、ひきこもり当事者の安全を保障すること、

ひきこもり当事者の安全を保障すること、など、

どうすればいいのかを具体的に伝えてくださいました。



ひきこもり支援は、親の思い、当事者の思い、その家族の思い等が

複雑に絡まり合って、そう簡単に解きほぐせるものではないため、時に、

家族が介入を拒否することもあり、だからこそ、連携することが重要になってきます。



さらに、相談を受けた時に求められることとして、

まずは相談者のお話をじっくり聴くこと、傾聴に徹底的に徹することや、

一人で決めつけず、判断に迷った場合は家庭支援総合センターや乙訓ももなどの

支援機関に相談すること、つなごうという意識が強すぎると邪魔くさがられているや、

たらい回しにされた、などの思いになるため、無理に「ひきこもり」相談窓口に誘導しない

ことなどを挙げておられました。


しっかり本人の話を聴いて、意向や思いを尊重することが必要なんですね。
















最後にまとめとして、最初の場面で躓いてしまうと支援が長期化したり、

複雑化したりするため、アセスメントは成育歴や職歴、受診歴、家族構成、

育ちのエピソード、過去の相談歴等々、丁寧かつ細やかに行ない、

関係者で共有して複数の視線を入れて支援の方向性を検討するのが良いとのことでした。



また、医療へのつなぎが必要ではないか…というケースは、たくさんあるので、

「自分で医療機関に行ってください」ではなく、受診同行をすることが必要で、

受診ができたという理由で、次に繋げることができた!とひきこもり支援の終了に

すべきではなく、その後の生活をどのように支えていくのか、医療、福祉、

ひきこもり支援機関等々の横の繋がりをフル活用し、連携を図っていくことが

必要不可欠と締めくくられました。


また情報提供として、






ポータルサイトとひきこもりサポーターの紹介もありました。




廣田主査は90分にわたり丁寧に事例を交えて優しい口調でご講演くださり、

時には自身の失敗談も紹介されるなど、実践から導き出され経験に基づいたノウハウは

とても説得力と実効性がありますし、ノウハウだけではなく柔軟性や連携の大切さなどを

訴えておられたところに、当事者への思いを感じざるを得ませんでした。



ご講演後の参加者の声やアンケートの結果も大変良かったがほとんどを占め、

参加された方には学びと気づきの多い時間になったのではないでしょうか?


















家庭支援総合センターから廣田主査をお招きしての令和5年度ひきこもりに関する学習会

第1回「ひきこもり支援の基本と8050問題について」は盛会のうちに無事終了することが

できました。


廣田主査、誠にありがとうございました!

今後とも連携及びお力添えをよろしくお願いいたします!


本日ご参加いただいた皆さま、お疲れさまでした!

皆さまの日々の支援の一助になっていれば幸せです。



次回ひきこもりに関する学習会第2回はひきこもり状態にある若者支援に

スポットライトを当てる予定です。


詳細が決まりましたら告知させていただきます!


本日はありがとうございました!








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