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専門性より関係性に至る気づきとは?本日は第2回ひきこもりに関する学習会を開催しました!

  • 執筆者の写真: 乙訓もも
    乙訓もも
  • 2 日前
  • 読了時間: 8分

本日は令和7年度「ひきこもりに関する学習会第2回」を開催しました!




今年度はひきこもりに関する学習会を「関係性」というテーマで企画しており、

第2回は「NPO法人コミュニティ・スペースsacula」代表理事 木村友香理さんをお招きし~「専門性より関係性」の築き方~と言うタイトルでお話しいただきました!
















今回の学習会も早くからたくさんのお申し込みをいただき、会場の調整を行なった上で、

定員を30名から50名に増やしたところ、定員50名を超えるお申込みをいただきました!



これはもう、皆さんの関心の高さと講師の木村さんのご活動の賜物に感服です!



会場いっぱいの参加者で熱気ムンムンで始まった学習会は、

まずはアイスブレイクからスタート。


マインドマップというものに取り組みました!


















まず参加者でひとつ、好きなものを決めて紙の中心に書き、

連想できる言葉をどんどん書いていきます。


どんどん、次々に書いていくのがポイントで、書き方の決まりはありません。


そして書き終わったら他の人と見比べてみて、どんな違いがあるかを話し合います。



こんな感じで書いていきます。



すると「自分の思考の傾向」や「固定観念」が見つかったりするそうで、

「これってどういうこと?」と聞いてみることで、相手のこだわりや大事にしていることも

知ることができたりするそうです。



1回目のお題は「お昼ごはん」、2回目のお題は「夏」で、

みなさんに取り組んでいただきました。


これはおもしろいアイスブレイクですね♪




このアイスブレイクで会場の雰囲気が和らぎ、いよいよ講演がスタート。

木村さんはまずご自身のことについてお話しくださいました。













なぜソーシャルワーカー(社会福祉士)になったのか、ご自身の養育環境についてなど、

木村年表なるものを作成され、かなり自己開示してお話しいただきました。



木村さんは専門学校入学当初から「独立希望」が強かったそうで、

過去の経験から「夜中でも過ごせる場所」「一人だけど「独り」じゃない」場所が

必要と考えておられたのですが、そういった場所が無かったので、無いならつくろう!と

思われたそうです。



当時は「私も若い頃は…」と周囲から話されるのがすごく嫌だったそうで、

当事者に自分自身や自分の過去を当てはめることは適切ではないという考えの下、

「自分を知って、自分を活かす」ために「ピア」ではなく「専門性」が必要だと

思われたそうです。



そして、大人も子どもも、ゆっくり自分の時間を過ごせるようなアプローチできないか?

という考えに至り、任意団体saculaを設立して活動をスタートされました。



ここから現場にあるニーズに応じて徐々に活動を増やしていかれ、

2021年3月11日に法人格を取得されます。


そこからさらに活動の幅をお広げになり、西京区と下京区に当事者の居場所を作り、

「すずなりランタン」というカフェバー&レンタルスペースを運営されつつ、

相談や対象者のサポートもこれまで以上に取り組まれるようになりました。
















日々、活動される中で対象者の若者からは、相談窓口に行っても、

「もう少し頑張って」「親と話し合ってみて」と言われるだけで、

ずっとどうすればいいか分からなかったという声を聴くことが多かったそうです。


そして若者たちの「どうせできない」「きっと無理」という言葉に、

周囲の支援者は 「やる前から言うな」「やってみたらいいのに」と返すのですが、

木村さんは「どうせ」は、何かの経験があった上でのそれを踏まえた発言でもあり、

「どうせ」には、理由や背景があるとお考えになりました。



そして、その理由や背景を紐解いていくと、

そこには様々な「孤独」や「孤立」があることがわかってきたそうです。




















同時にしんどさには「顕在的なもの」と「潜在的なもの」があり、

相談では最初は氷山の一角しか出てこず、「この人になら話してもいいかな」という

安心感が相談者と築けていれば氷山の「見えていない部分」「隠していた部分」も、

本人は出すことができると気づかれたそうです。


居場所で人が求めるものは「自分を認めてもらえる」という承認欲求で、

「安心・安全」の中で自分の思いを伝える信頼関係が構築できると

「この人になら話してもいいかな」と安心してカミングアウトできるようになる。




木村さんの、

人間の感情はダムのようになっていて、いっぱいになったら、あふれるもの。

それは不安感も安心感も同じ。安心感を溜められる場所って実はそんなになかったり。

そういう場所の大切さを伝える仕事もしています。


という言葉にハッとさせられ、同時のその大切さを痛感しました。






















また、自殺のリスクが高まる時は生きることの促進要因より阻害要因が上回った時で

どれだけ人を支える支柱を増やせるかがポイント。



自立のためには「依存」が必要で「居場所」をうたう場所にはその機能があり、

「話を聴いてくれる人がいる」「一緒に何かできる人がいる」、そうして、

そのような「居場所」「依存先」はひとり・一ヶ所だけじゃなく、「選択肢」が多いと

安心感も必然的に増え、「何かあったらここへ行こう」「大丈夫」と自然に思える環境により人は自立できると教えてくださいました。



そして、今までの活動や対象者との出会いの中で

NPO法人コミュニティ・スペースsaculaさんが大切にしていることである

「専門性より関係性」に行きつかれたそうです。



まずは対象者と関係性を作り、安心が満ちたところで専門性を持ってアプローチする。


すごくスッと落ちてくる内容で、とても共感しました。


さらに「NPO法人コミュニティ・スペースsaculaさんで相談サポートの際に

気をつけられていることは、「質問力」をいかに身につけられるかということで、

「傾聴」の前に「興味・関心」をもつことを意識されているそうです。


対象者の「できない」「課題」よりも「できている」「成果・強み」、

これらをどれだけ見つけることができるか・・・


「ものの見方の角度を変える」サポートである、

いわゆる「リフレーミング」も必要だと考えておられます。


















また、自分の中の「固定観念」を知る、 ソーシャルワークでいう「自己覚知」も重要で

「固定観念を外す・なくす」ことは難易度が高いのでアンガーマネジメントと同じように

知ったうえでコントロールすることが大事とおっしゃっていました。


自分にも他者にも「なんで?」が大事と。


なるほどです。。。。

そのための最初のアイスブレイクでもあったんですね!


最後に「私たちにできること」として、

当事者本人へのアプローチは大事ですが、カウンセラーやソーシャルワーカーなど、

資格がないとできないものではなく、そもそも人々の「生きづらさ」「しんどさ」の根源は「社会」にあるのではないか、だとすれば、「社会」へのアプローチ、それは、

子ども・若者が主体的に動けるよう、「社会」を整えていくことではないか?


「社会」とつながる「きっかけ」をつくる・整えることも、「ソーシャルワーク」で、

「私たちにできること」であると話されました。





誰しも困難やしんどさがある(あった)過去や事実を変えることは 容易ではないし、

過去の経験が今の気持ちにブレーキをかけてしまうことがあったとしても、

その事実があったから今の人生を進むことができた、と思うようになれるかもしれない。

いわゆる、リフレーミングができるようになるかもしれない。


そして、そうならなきゃいけないわけでもない・・・(この考え方が大切ですね!)


全ての人が自分自身にアプローチしていけるわけではない、

だから、 「今」や「これから」に目を向けられる「社会」が必要だと、

木村さんは強くメッセージを発信されました。




また木村さんは「相談サポート」や「ソーシャルワーク」は

「給水係」であると例えておられました。


普段は応援に徹し、必要とされたときにそっと隣に行く


しんどい時はエネルギーチャージのサポートを行ない、

その人の力を引き出すためにその人を「エンパワメント」する。



常にそばにいて支えるのではなく、普段は応援に徹し必要とされたときにそっと隣に行く、

これがポイントだと感じました。


ソーシャルワークは給水係のように必要な時にサポートし、社会側にもアプローチする。

そして、それは専門性で出来ることではなく、関係性でできること。



「専門性」より「関係性」



その言葉に込められた意味をお腹の底に落として考えることができました。























木村さんの意志と信念、そして行動力と実践を感じると同時に、

どこまでも当事者主体でサポートをされていることが強く伝わってくる学習会で、

質疑応答も様々な立場の方々から忌憚のない質問や考えを頂戴し、皆さんと共有しつつ、

ともに考えることができたのではないでしょうか?



木村さん、素晴らしい時間をありがとうございました!


そして、この素晴らしい時間を共に過ごすことができた参加者の皆さん、感謝いたします!



令和7年度ひきこもりに関する学習会第2回、

NPO法人コミュニティ・スペースsacula代表 木村友香里さんをお招きし、

「専門性より関係性」の築き方をお話しいただきました。


実のある学びをありがとうございました!


最後に、NPO法人コミュニティ・スペースsaculaさんでは花束会員を募集されています。

協力しようかなという方は是非、コンタクトを取ってみてください!





 
 
 

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