第5回乙訓絆サークル「社会のルールに合わせず今の自分のまま活躍できる、新しい働き方を生み出す」を開催しました!
- 乙訓もも
- 2月7日
- 読了時間: 8分
更新日:2月8日
昨日2月6日に今年度2回目、通算5回目の「乙訓絆サークル」を開催いたしました!

第5回は参加者の他、コアメンバーや運営側を含めると64名の方にご参加いただくと同時に
10名以上の方に初参加いただき、ネットワークの広がりを実感できました。
「乙訓絆サークル」とは、
乙訓ももが取り組んでいる実効的なひきこもり支援のネットワーク会議のことで、
乙訓地域を中心として領域や分野を越えてありとあらゆる社会資源の方が集まり、
ひきこもり支援においてチーム支援を可能とするための顔の見える関係性作りと
膠着するケースが多いことで支援者たちが疲れてしまわないように気づきや学びを得て
癒しになるような場づくりを目指して過去4回開催してきました!

コアメンバーで打合せ中!
今年度は「働く」や「仕事」をキーワードに開催しており、前回の第4回は8月22日に
滋賀県東近江市にある社会福祉法人わたむきの里福祉会の棒芯 野々村光子さんをゲストとしてお招きし、出口支援と呼ばれる「働く」や「仕事」を入り口として地域の企業と連携した取り組みとそれにまつわる地域づくりについてお話いただき、グループセッションでは
同様の取り組みについて自由な発想で話し合っていただきました。
ひきこもり状態にある方の支援についてはある程度は浸透してきたかもしれませんが
コロナ禍など社会情勢が大きく変わる中でひきこもりという考え方や定義も一般化され、
定義にあてはまらず相談していいのかどうかわからないという本人や家族も多く、
苦しんでいる本人や家族が「診断ありきの対応」で制度の狭間に取りこぼされているとの
批判も少なくなく、「8050問題」の遠因にもなっているなどと指摘されていたことから、
厚生労働省がひきこもり状態にある本人や家族に関わる際の支援の考え方やポイント、
事例などを示した新たな指針をハンドブックとして策定し、1月31日に都道府県と市町村の全自治体に通知しました。
その中でひきこもり支援の対象者の考え方は、
<何らかの生きづらさを抱え、生活上の困難を感じている状態>
<家族を含む他者との交流が限定的(希薄)な状態>
<支援を必要とする状態>
と広く捉え直されました。
従来の定義では「6か月以上」だった期間も「問わない」とされ、
ひきこもり支援の目指すべき姿は「“自立”ではなく“自律”」としています。

厚生労働省によると、
「“自律”とは、自分を律するとか、社会に適応することではなく、
本人や家族が自分はどう生きていくのかを決めていくことであり、
そのプロセスを共有しながら共に考えていくことこそが支援という
支援論を整理したことに意義があると思います。
従来の“医療モデル”の支援だけでなく、新たな“社会モデル”の視点を基本とした
価値や倫理に基づく支援へと変化させました」とのことです。
医学モデルの考え方では、その人が抱える障壁は個人の責任であり、
治療によって社会に適応していかなければならないとされていますが、
社会モデルは何らかの原因によって生み出される障壁は個人の心身機能の問題や
責任ではなく、モノ、環境、人的環境など社会のあり方によって生み出されている
という考え方です。
「従来の“医療モデル”の支援だけでなく、
新たな“社会モデル”の視点を基本とした価値や倫理に基づく支援へ」ということは、
「ひきこもり状態にある原因を社会や環境にも求める」ということになります。
ということは、社会や環境にアプローチしていくことは必然であり必須。。。
といえるのではないでしょうか?
この新たな指針が策定されたタイミングで第5回目の乙訓絆サークルは、
既存の制度やルールの中で生きづらさ、働きづらさを抱える人が、
社会や会社のルールに合わせるのではなく、今の自分のまま活躍できるような
新しい働き方を生み出そうとされている一般社団法人NIMO ALCAMO(ニモアルカモ)の代表理事・古市邦人さんを講師に迎え、その取り組みについてお話しいただきました。

まさに社会側へのアプローチについてお話しいただくことになりました!
古市さんからはご自身のプロフィールを紹介いただいた後、NIMO ALCAMOさんで
取り組まれている大阪のスパイスカレーのお店やチャイを提供するカフェで、
24時間いつ来ていつ帰ってもいい「シフトフリー」や見た目問題を抱える方などが
姿を見せずに働ける「アバター接客」などの事例をご紹介いただきました。

また、
「これまでだったら「直せ」とか「出来るようになれ」と言われてきた正しくないことを「そのままでいいよ!」と言ってしまうような、正しさを基準にルールをつくらず、
人に合わせてつくってみよう、未来の働き方をつくる、WORK RULE SHIFT KYOTO」と
いうプロジェクトで2/6に期間限定でオープンしたスープカレーのお店での実践についても
ご報告いただきました。

今回の講演で印象的だった言葉が「最低賃金があることによって働けない人がいる」です。
京都府の最低賃金は現在1,058円で、30年前は611円で1.73倍になっています。
この最低賃金で働くにはそれ相応のパフォーマンスを雇用側は要求してきますよね。
しかしながら、何らかの事情や取り巻く環境などの阻害要因によって、
今は自分の持てる力の30%でしか働けない、働かない、
最低賃金分は働くのは難しいけど時給300円程度なら働くことができる、
そういった人たちは働くことから排除されてしまっているのではないか、
それは社会の損失なんじゃないか?という考えに古市さんは至ったそうです。

じゃあ、30%の力で働くことや、時給300円分の仕事を生み出せば、
その人たちは働けるんじゃないか?
負担は30%だけど対価も1/3。
そういう発想で生まれたのが「WORK RULE SHIFT KYOTO」のスープカレーのお店です。

現行の法律では最低賃金以下で働いてもらうことはできないので、
業務委託という形にされています。
これは一つの課題かもしれませんが、最低賃金分働けることを最低条件としてしまわずに
30%の力で働くことや、時給300円分の仕事を生み出せば働ける人はいるんじゃないか?
そして、それを段階的な就労の中間的就労として位置付けることで、
将来的に働ける人は増えるんじゃないか?
この発想の柔軟性に、まず驚きますし、今までにない新鮮さを感じました。
この古市さんの報告に参加者の感想は、
阻害要因は本人だけでなく社会側にも存在しているという言葉に考えさせられた。
働くことに新しい視点を持てた。
社会を固定的に捉えていることがネックになっているとわかった
思い込みを覆してもらえた
その人を変えるのではなく、その人を尊重しながら
社会を変えていくという考えが新鮮に感じた
など、これまでの固定観念や既成概念、いわば価値観をゆるがす講演だったと言えますね。

こういう機会が必要だと思ったのが、今回の講演を古市さんに依頼した動機の一つです。

NIMO ALCAMOさんの実践は新しい働き方や中間就労の場としてとても興味深く、
企業がこの取り組みに着目し、その企業なりにカスタマイズすることができれば
かなり働ける人が増えるのではと希望を感じざるを得ません。

そして、実際に関心を示している企業もすでにいらっしゃるそうです!
一般社団法人NIMOALCAMOさんについて、詳しくはこちらをご覧ください!
古市さんの希望を感じる講演をお聞きただいた後に休憩を挟んで、
参加者には13グループに分かれてグループワークに取り組んでいただきました!

そのグループワークの内容は、A~Hまでの異なる状態の架空の当事者モデルを
各グループにランダムに割り当てさせていただき、社会側や会社側のルールを
変えたりすることで、どのように活躍できるか、またはどんな自己実現ができるか、
自由な発想を持ってオリジナルストーリーを考えていただきました!

今回もグループワークの前にクッキーをお配りしました。
春にピッタリ、イチゴ味のクッキーなどのアソート。
大好評でした!
グループワーク中は古市さんにフリーに動いていただき、
気が付いたことやアドバイスを各グループに伝えていただきました。

そして、数グループからどのようなストーリーが出来上がったかを発表いただき、
古市さんからは総評をいただきました。
少し自由過ぎてやりにくいグループワークになったかなぁと思っていたのですが、
みなさん、たくさんアイデアを出されていて、それぞれの架空モデルのユニークで
多彩なオリジナルストーリーが出来上がっていましたね。

8人の架空のモデルの設定はあえてざっくりした条件設定にさせていただいたのですが、
それは自由な発想の下で架空の当事者の背景を想像してもらいたかったということで、
一見アンバランスに見える情報、例えば対人支援はしたいがコミュニケーションは苦手と
いうようなことが、どうして起こるのか?といったことを一旦受け止めてから、
想像を巡らして考えてもらうということに取り組んでいただきたかったのです。
このグループワークに参加者は、
いろんな立場や職種の方と話せて、異なる意見が出て新鮮だった
同じようなワークをまたしてもいいと思った
忌憚なく話せたのが良かった
いろんなアイデアが出て楽しかった
などの感想を持たれたようで、ただ単に話すだけでも気持ちが楽になりますし、
いろんな楽しい考えに触れることで元気にもなれますよね。

そういった場づくりも「乙訓絆サークル」では目指しているのです。

登壇いただいた古市さん、参加いただいた皆さま、コアメンバーの皆さん、
準備・撤収を手伝ってくれたメンバー、それと関わってくださった方々に、
心より感謝申し上げます!

皆さんのお力添えで当事者を支えるネットワークが出来上がっており、
実際に「乙訓絆サークル」でケースワークしている、あるいはその結果就職したケースも
一つや二つではなく、しっかりとネットワークが機能しています。
心強い皆さんと一緒に歩めていること、本当にうれしいです!
今年度2回目、通算5回目の「乙訓絆サークル」無事終了しました!
ありがとうございました!

今回グループ分けはクジで決めさせていただきました。
メンバー製作、ざわざわしますwww
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