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執筆者の写真乙訓もも

ひきこもりに関する学習会第5回を開催しました!

昨日、1月27日に今年度第5回目のひきこもりに関する学習会を

バンビオ6階創作室1にて開催いたしました!





京都府にまん延防止等重点措置が適用された当日ということもあり、直前のキャンセルが

相次ぎましたが15名の方のご参加をいただき開催できたことに感謝いたします。

 

今回ご登壇いただいたのは京都市でひきこもり支援を行っておられる

NPO法人若者と家族のライフプランを考える会の理事長・中山泰輔さんで

「当事者から支援者へ、その歩いた道のり」と題て、当事者から支援者になられた経緯と

ぴあスタッフとしての重要性と難しさについてお話していただきました。





中山さんが理事長を務めておられるNPO法人若者と家族のライフプランを考える会

(以下LPW)は京都市の下賀茂神社近くに拠点を構えておられ、障害福祉サービスの

就労継続支援B型事業で福祉就労としてアートや音楽、ITなどを通した社会参加と就労の

取り組みをされており、京都市内在住の方で福祉制度を利用してない方向けには

こころのサポート支援事業も行っておられる団体です。


中山さんはどのようにしてこのような支援機関に出会われたんでしょうか?


中山さんは宮城県仙台市のご出身で中学校を卒業後、仙台市内の高等専門学校に

入学されますが、もともと不眠の体質がありそれが影響して夏休みごろから登校しづらく

なられたそうです。そして学校の雰囲気などもあいまって秋ごろから不登校になり、

高校を中退。再受験で一般校に再入学されますが、また不眠による体調不良などが原因で

中退されることになり、そこからひきこもり状態になられたそうです。


中山さんはご自分がひきこもり状態になられた原因を、

・不眠、体調の問題

・友人関係の不和

・アトピーの悪化、体重の増加などによる心理的ストレス


これらが複合的に要因として絡み合ったと話してくださいました。






過去に行われた京都府のひきこもり実態調査でもひきこもりになった原因を

不明と回答される方が30%弱程度おられます。


これは中山さんと同じく様々な原因が重なり絡み合った結果、当事者もどれが原因か

わからないからだと言われています。


ひきこもり状態だった当時、中山さんはは比較的外出もしておられ、

家族関係についても良好だったそうです。


しかしながら、やはり社会や他者との関りが無くなり、

肩書もなくどこにも属していないという感覚に陥ったそうです。


ただそんな中でも大検を取得し大学入試を目標にすることで大学でリセットする!と

楽観的に考えていたそうですが、自宅にいてゲームやパソコンなどで時間をつぶし、

気づくと昼夜逆転の日々。

対人不安(醜形恐怖)や同世代にに対する引け目などもあり、

身体的な不調や心理的な不安定さが目立っていたそうです。






そして念願の大検を取得し大阪の大学に入学を果たされた中山さん。

大学1回生の時は単位を順調に取得しサークルにも所属されたのですが、

ひきこもり状態の時の体調不良が悪化し不眠も重なったことでうつ病を発症されます。


大学の心理相談室を利用し休学して治療をされ無事卒業をされますが、

就職活動はできず、またうつ病が悪化ししばらくは外へも出られない状態に。


それでもボランティア活動やアルバイトなどもされ、一時的に回復されました。


この時東日本大震災が起こり悲惨な状況を目の当たりにされたことで再び体調が悪化。

同時に長年飼っておられたペットが亡くなりペットロスが追い打ちをかけました。


そこから大阪のひきこもり支援団体につながり、LPWの前理事長と出会われ、

利用を始められたそうです。


最初はLPWにもあまり通えなかった中山さんでしたが、乙訓ももも受託している

京都府のチーム絆事業のぴあサポーターとしてITや音楽などの得意を活かして

当事者とともに活動されるようになり、最終的にLPWで働くようになったそうです。


一般的にひきこもりになられる方は自分ではどうしようもない要因がきっかけに

なっていることが多いのですが、中山さんも不眠体質やそれによる体調不良、

震災やペットの死など個人ではいかんともしがたい要因が多かったように思います。


中山さんは今までの人生を振り返り、ご自身のひきこもりの背景にある要素を

・不登校 ・体調、体の病気 ・精神障害(うつ) ・発達障害の

4つと自己分析されていて、それぞれに対して自分の特性を考慮しつつ

アプローチをされたとのことでした。






なるほど。

自己分析をして原因を特定する。

そしてそこに自分の特性を知った上で、自分なりの自分に合った対策を講じていく。


この日、一番印象的だった言葉に「努力よりも、環境の工夫」というものがありました。


そうですよね。

努力!根性!だけでは解決しませんね。


環境を工夫することでしんどさが軽減されたり、物事に取り組みやすくなったり、

そういったことは確かにありますし、自分支援というんでしょうか?


これはとても重要なポイントだと思いました。







楽器も演奏される中山さん。

カラオケも大好きだそうです。







一日のスケジュールは時間ごとにやることを決められていて、テレビ欄のような感じで

スケジューリングすることで整理されてるそうです。



また中山さんは精神科に通院をされているのですが、あるきっかけで発達障害の検査をされ

ADHDの診断が出たことで服薬が始まり、その処方箋がご本人にすごく合っていたそうで

生活が落ち着いたのが大きかったと話されていました。



働くためには、自分らしく生きるためには、やはり日々の生活がまず安定しないことには

始まりませんよね。


お腹が極限まで減っている時、食べるために働いてお金を稼いだら?と言われても

体は動きません。

まず何か食べて、エネルギーが出るようになってから働かないと何も始まりませんよね。


まずは生活を安定させることが大切で、中山さんの場合は服薬が役立ったとのことでした。


今は支援者として活躍されている中山さんですが、やはりぴあスタッフとして働く難しさを

感じておられるようで、


・自身の経験と課題の利用者との切り離し

・「ピア」と「支援者」の間のバランス

・セルフケアとしてピアサポートと支援としてのピアサポート


の3つを難しさとして挙げられていました。


ピアだからこそわかることがある。

しかしそれはあくまで自分の経験で目の前の当事者にすべてが当てはまるわけじゃない。


そして当事者に関わることで自分にもプラスの側面があり、ピアサポーターとしての

純粋な役割も当然忘れてはいけない。


とてもバランス感覚が重要になってくるのではないでしょうか?


そして日々、悩み、揺れ動き、葛藤する中で、

また何か見えてくる世界がきっとあるんでしょうね。





赤裸々にこれまでの人生を語ってくださった中山さん。

やはり当事者の言葉は重いと改めて痛感しましたし、ご参加いただいた方々も

そのようにお感じになったんじゃないでしょうか?


これからも私たちが当事者と関わっていく中で、何かヒントというか、

ポイントになる要素がいっぱい散りばめられた学習会だったように感じています。



オミクロン株の感染急拡大する中、快くご登壇いただいた

NPO法人若者と家族のライフプランを考える会の中山理事長、

本当にありがとうございました!






これからも同じ支援機関として連携・協働、ご指導、よろしくお願いいたします!


皆様のご協力により、今年度第5回目のひきこもりに関する学習会を

無事終えることができました。心よりお礼申し上げます。



今年度も6回を予定しているひきこもりに関する学習会ですが、

後半は当事者にクローズアップして企画・開催しております。


そして今年度最後、第6回目の学習会はいよいよ乙訓ももの現利用者が登壇する予定です!


メンバーが今まで通ってきた道はどんな道だったのか?

今はどのような景色が見えているのか?

未来は?将来は?


リアルな生の声をお届けいたします。


ひきこもりに関する学習会最終回の第6回は3月に予定しておりますので、

日時、場所が決まりましたらまた告知させていただきます!


長文レポートお読みいただきありがとうございました!


また2月27日の支援者交流セミナーにもご参加よろしくお願いいたします!

乙訓地域でひきこもり支援ネットワークをつくる第一歩に是非ご参集ください!


よろしくお願いいたします!!









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