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今年度第1回目のひきこもりに関する学習会を開催しました!

  • 執筆者の写真: 乙訓もも
    乙訓もも
  • 2 日前
  • 読了時間: 7分


昨日5月22日木曜日に、

令和7年度京都府のひきこもり相談・訪問支援「チーム絆」地域推進事業の

乙訓もも主催ひきこもりに関する学習会第1回を開催いたしました!


















おかげさまで定員いっぱいのお申し込みをいただき、ありがたく感じるとともに、

少し狭いお部屋しか取れずに申し訳ありませんでした。


しかしながら、皆さまの関心と意欲の高まりを感じています



昨年度は「当事者の見ている景色を見る」や「本人の世界観を知る」といったテーマで、

当事者の価値観に触れるということに主眼を置き学習会を開催させていただいたのですが、

今年度は通年のテーマを「関係性」のキーワードで括らせていただこうと考えています。




そして、今年度第1回目は京都府家庭支援総合センターのひきこもり支援担当の廣田主査をお招きし「当事者との関係性づくりを考える」というタイトルで登壇いただきました。
























廣田主査には毎年この時期にひきこもり支援の基本や基礎についてお話しいただいており

趣向を凝らした内容で毎回好評を博しています。



今回は厚生労働省が今年1月に通達した新しいひきこもり支援の指針について説明され、

ひきこもり状態の定義が変わったことから始まり、これからのひきこもり支援は

病気や障害の有無で判断するではなく、本人の生きづらさ、生活のしづらさ、

当事者を支えておられるご家族のしんどさに寄り添った支援が求められ、

本人の課題は様々であることから、それを一機関だけで抱えるのは極めて困難なため、

それぞれの支援機関が得意分野を活かして本人と家族の支援を検討していくことが大切で、「役割分担」ではなく、一緒にアイデアを出し合っていくことが必要と話されました。



各機関が連携するチーム支援が必要と言うことですね。
























そして、ひきこもり時に当事者によく現れる状態について教えていただいた後に、

本日のメインテーマ「「当事者との関係性づくり」についてお話しくださいました。



ここで少しユニークな個人ワークを行う時間が設けられました。



皆さんが繰り返し何度も行っている場所はどこか、その理由は?

というワークです。



参加者の皆さん、それぞれに思い当たる場所と理由をお書きになっていましたが、

これは「期待値とリピート率」というもので、人が何度も訪れている場所は

そこを訪れる前の「事前期待値」よりも現実に訪れた時の「満足度」が高く、

「満足度」が感動レベルに達するとリピート率が98%にも上るというもので、

不満だった場合でも迅速に対応することでリピート率は87%に達するそうです。


反対に対応が迅速でない場合はリピート率は50%まで下降するらしく、

これはとても面白い視点だと思いました。



ディズニーランドが典型的な例として紹介されていました。


要するに、当事者やご家族が支援機関に相談に行った場合に事前期待値を上回る満足度が

あれば相談は継続し、不満があったとしても支援機関側が迅速に対応すれば相談が途切れる

ことは防げるということですね。


なるほどです。

























そして、当事者やご家族が今の悩みを、「どこかで聞いてもらいたい」と思った時に、

どのような場所だと良いか、

相談者に、「ここに来て良かったな~」と思ってもらえるように、

どのような場所であると良いか、

それは、「どのような場所」か、を個人で書き出していただきました。


そして、これらの個人ワークの後に、会場を広く使うため半数の方は別室移動していただき参加者全員で事例を元にグループワークに取り組んでいただきました。





グループワークの内容は、

「働きたい」という思いを持ちながら「自分は働けるのだろうか」

「何が向いているのだろうか」という不安も持っておられる当事者が、「働く」までの

ロードマップを作製するというもので、「こんなことができるといいな~」、

「このような制度があるといいな~」、「こんな相談ができるといいな~」、

「こんな場所に行けるといいな~」など、自由に意見を出し合って取り組んでいただきました!





今回の学習会はグループワークの時間を1時間程度取らせていただき、

皆さんでじっくりと意見交換していただきました。




そして、グループワーク終了後に再び会場にお集まりいただき、

各グループからどのような意見や話が出たか簡単に発表していただきました。






















廣田主査からは各グループの発表についてコメントをいただき、

事例のご本人のその後と現在の様子をご報告くださいました。



この事例では廣田主査はご本人と一緒にロードマップを作ったそうで、

ご本人の思いを大切にして、一緒に考えながら本人あったペースで支援を提供することの

大切さと本人が自分の意志で決める意思決定支援の重要性を感じました。

















このプロセスを経た本人からは自己理解や他者理解が進んだと感じられる言葉が語られ、

支援機関は本人は自己受容できていると捉えておられたそうです。


果たして、この事例の方は見事就職されたそうですが、

廣田主査からは、決して就職がゴールではなくこれがスタートで、

何か困った時に「いつでも相談できる」場所が必要であり、

そのためにご本人と定期的にメールなどで連絡を取られており、

身近で支えておられるご家族とも相談を続けておられるそうです。
























ここで大切だとお話されていたことは、複数の目で本人の様子を観察することと、

当事者だけを見るのではなく、家族全体を支えることを意識していくこと、

家族全体を見ていく、捉えることが大切な視点であるということでした。


また廣田主査の個人的な見解として、関係性づくりの大前提は「安心」、「安全」であり、

誰しも初めての場所、人の前では緊張しますし当事者は相談を積み重ねていても、

改まった場面ではどうしても緊張してしまう。


その緊張をいかにして解くか。。。


そのために、ご本人の興味関心のあることから話題を展開することも大切で、

専門的な知識よりも、様々なジャンルの情報、幅広い雑学が有効だと考えていると

話してくださいました。



このあたりは激しく同意いたします!


そして最後に参加者の皆さんにとって、「安心」、「安全」な環境とは、

いったいどのような環境か、グループでシェアしました。















今回の学習会はグループワークがメインでしたが、

どのグループでも活発に意見交換がされていて熱を感じたのが印象的でした。


また支援者だけではなく、当事者や当事者家族の方の参加もあり、

みなさんが話してくださったことにより知り得たこともかなり多かったように思います。


当事者のことは当事者にしかわかりません。

当事者は理解してほしいという思いを持っていらっしゃっても、常に孤独です。


だからといって支援者や周囲が諦めることなく、今回のように当事者が自身のことを

話してくださる機会を大切にして謙虚に耳を傾けることで安心・安全な環境を作るための

準備ができるのではないでしょうか?
















今年度第1回目のひきこもりに関する学習会はとてもわかりやすい内容で、

当事者主体の支援を大切さを再確認させていただいたとともに、

関係性を築くためには期待より高い満足度を得ていただくために尽力すること、

そしてまずは安心・安全な環境を整え提供することから始まる・・・


そのようなことを教えていただきました!


「関係性」という難しいテーマでご登壇いただいた

京都府家庭支援総合センターの廣田主査には心から感謝申し上げます。


ありがとうございました!
























次回、ひきこもりに関する学習会第2回は7/24木曜日に開催予定!

「専門性より関係性」の築き方と言うタイトルで京都市内で子ども食堂やシェアハウスの

運営、自立・就労サポートなどの事業やカフェバー&レンタルスペース「すずなりランタン」を運営するNPO法人コミュニティ・スペースsaculaの代表理事 木村 友香理 さんをお招きして、対人援助の際に大切にすべきことを改めて学ぶ機会を設けます。











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