昨日の社会参加支援事業は月イチワークショップ。
乙訓ももの事業所を飛び出して向日市にある来迎寺さんで
日本茶を楽しむワークショップを開催しました!
今回ワークショップをお願いしたのは乙訓のお隣の島本町で
「岡村商店」というお店をご夫婦で営んでおられる岡村友章さん。
岡村さんには昨年度は日本茶を飲みながらご自身の半生を語っていただきましたが、
今回はがっつりと日本茶についてワークショップという形でお話しいただきました!
昨年にお越しいただいた時は、
まだご自身のお店をお持ちでは
ありませんでしたが、
今は阪急水無瀬駅すぐ近くで
包子と日本茶のお店をご家族で
切り盛りされています。
ワークショップが始まる前にまず簡単な自己紹介を全員で行い、
岡村さんがこの日のために用意してくださった資料をもとに
お茶のバリエーションについてお伺いしました。
お茶は緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶と様々な種類がありますが
すべて「茶の木」の葉が原料となっており中国雲南省が起源とされています。
また麦茶や黒豆茶、柚子茶や枇杷の葉茶などは茶外茶と呼ばれているそうです。
ではなぜすべて同じ茶の木の葉が原料なのにいろんな種類のお茶があるのでしょうか。
それは栽培方法や、摘み取り時期や方法、製茶を工夫することで
様々なお茶が作られているからだそうです。
今回は岡村さんから代表的なお茶を教えていただきました。
まずは不発酵茶と呼ばれるものです。
これは生葉を蒸して作られるものと、生葉を釜で炒って作られるものがあるそうです。
前者は煎茶や玉露、かぶせ茶、甜茶(抹茶の原料)、蒸し製玉緑茶、ほうじ茶などがあり、
後者は釜炒り茶があります。
現在は釜炒り茶を製造されている方は全国的にも少なくなってきているそうです。
次に発酵茶(酸化発酵)と呼ばれるものがあり、よくご存じのウーロン茶や紅茶が
これにあたります。
茶葉にはもともと酸化発酵がありこれが時間の経過とともに発行を進めたお茶のことを
発酵茶と呼ぶそうです。
3つ目は後発酵茶(微生物による発酵)と呼ばれるものがあり、
カビや細菌の力を借りて、味噌やヨーグルトといった発酵食品と同じように
発酵させたもので碁石茶、阿波晩茶、プーアル熟茶などがあるそうです。
そして最後はなじみ深い番茶です。
番茶は主に大きく成長して硬くなった茶葉を中心に使ったお茶の総称だそうで、
その摘み取りの時期や製茶方法には地方により大きく違いがあるそうです。
一般的に新芽をお茶の原料にすることが多いようですが、
番茶は成長した茶葉を使っているので庶民的で安価に飲めるんですね。
お茶のバリエーションについて教えていただいた後に、実際試飲させていただきました。
まずは緑茶から。
違いが分かるように個性がはっきりした緑茶をご用意いただきました。
左から「日野荒茶」(滋賀県)、「芦北釜炒り茶」(熊本県)、「君ヶ畑」(滋賀県)。
茶葉だけ見てこれだけ違います。
常滑で購入された急須。
普段使いの道具として
重宝されているそうです。
味はさわやかな香りとそれぞれに苦み、ほのかな甘みがあります。
味の感じ方は人それぞれ異なりますし、体調などによっても変わりますので、
気にすることなく自分が感じたままでいいですよと、岡村さん。
いい香りが漂ってきます。
みんなじっくり味わいながら、味や風味、香りを確かめ、感じていましたね。
お茶を改めてこんな風に味わうなんていい時間です・・・
次に番茶を試飲させていただきました。
番茶もこのようにお茶によって違いがあります。
左から「焙じ晩茶」(滋賀県・朝宮)、「平番茶」(滋賀県・政所)、
「発酵番茶」(奈良)となります。
平番茶は薄い緑色をしていますね。これが番茶?という装いです。
やはりそれぞれに味わいが異なり、発酵番茶は発酵しているので紅茶のような味でした。
うーーん、面白いし、奥深いですね、お茶って。
そして最後はお茶の淹れ方について
教えていただきました。
岡村さんはご自分で「僕はお茶をそんなに丁寧に淹れることはないです」
とおっしゃいました。
それはお茶は暮らしの中にあり特別なものではないというお考えから。
ふだんゴクゴク飲むのがお茶。
改まって飲むお茶もあるけれど、やっぱりお茶は気軽に飲める方がいいと思っています。
と、お茶を自然に淹れながら話してくださいました。
また、これは平番茶の茶葉ですが、このように茎が入っている茶葉も取り扱われています。
製造されている方のご意向もあるようですが、一般的には除去される茎などもあえて
茶葉の中に入れておられるそうです。
これは原料の持っている本来の味の全体像を味わってほしい、
お茶とともに生産者の方の存在を感じてほしいという岡村さんの思いの表れです。
実際こうすることによって、とても親しみのある味になっているように感じます。
岡村さんが求め、皆さんに届けたいお茶は普段使いの素直なお茶。
熱湯でさっと淹れて、その場にいる人たちが気軽に飲める、そんなお茶。
好みやシチュエーションによって美味しいと感じられる方法は人によって異なりますし、
お茶はそのような柔軟な飲み物ですから、自分の好みに応じて扱って、
自分が「おいしい」と感じられたら、それが正解ですと岡村さんは締めくくられました。
実直にお茶と向き合い、生産の現場に出向き、そこで体験したこと感じたことを
ブログや言葉で伝え、自分のお茶の思いを届けている岡村さん。
岡村さんが用意してくださったお茶をじっくりと味わいながら、日本人にとって
馴染み深いお茶について改めて味わい、考え、感じたワークショップでした。
お茶は身近で暮らしの中にあるもの・・・
皆さんも是非、島本町の岡村商店へどうぞ。
素敵な普段使いのお茶とお茶のことを話すと止まらない若い店主が出迎えてくれますよ♪
今年度最後の月イチワークショップは改めて日本茶を味わう時間でした。
岡村さん、ありがとうございました!!
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