昨日はひきこもり相談・訪問支援「チーム絆」地域推進事業による
「ひきこもりに関する学習会第2回」をバザールカフェの松浦千恵さんをお迎えし、
「居場所について改めて考える場」と題して開催させていただきました!
直前のキャンセルが相次ぎましたが、当日のお申し込みで定員30人いっぱいでの開催と
なり、皆さまの関心の高さが現れた結果と感じています。
ひきこもり状態にある方が地域に一歩踏み出そうとした時に重要で必要な「居場所」。
その居場所をつくるにはどのようなポイントや注意点があるのか、今一度考えたいと
この学習会を企画し、同じひきこもり支援の居場所づくりをされている方ではなく、
多様で視座の異なる居場所づくりを行なっておられる方をお招きすることで、
いろんな居場所の共通点やエッセンスなどがつかめれば、地域の方にとっても居場所づくりのハードルが下がったり、ニーズにマッチした居場所が増えるのではと開催いたしました。
学習会のスタートではトラブルが発生し少々焦りましたが、
まず松浦さんからバザールカフェの成り立ちや活動についてお話しいただきました。
バザールカフェは京都市上京区は同志社大学の近くで1998年、日本キリスト教団京都教区とバザールカフェプロジェクト運営委員会の共同プロジェクトとしてスタートし、
様々な人たちが活動内容や立場を超えて自然に出会い、「共に生きる」ことのできる場、
そして常に人々が集まって考え続けられる場所の創出を目的として始まりました。
名前の由来は、バザール=市場で、活気溢れるアジアの市場のように人々が行き交い、交流し、情報交換するという意味が込められており、
HIV/AIDS関連団体、滞日外国人支援団体、アーティストキリスト教会・キリスト教の牧師・宣教師、教員、学生、主婦など本当に多様な人たちにより誕生したそうです。
なぜカフェの形態をとっているかということですが、バザールカフェ は特定の目的に
縛られない柔軟なスペース/場として始まったからなのだそうですが、
一方で目的を明確に持つ人もいたそうです。
カフェの形態をとることによってあらゆる人が名乗らずに利用することができる、
言わば排除できない縛りを自分たちで作られたということですね。
そしてバザールカフェのミッションは、
このバザールカフェのだれも排除しないという理念が本当に難しく、
素晴らしいことだと感じました。
バザールカフェにはこの図のような機能・事業があるのですが、
これらの事業を通して「エンパワメント」や「相互理解」、「自分を知ること」
が起こっており、対等な関係性の中で意図せず偶然に起こる人とのやり取りの中で
人はエンパワメントされていくと話されました。
相互に影響しあい認め合うことでその人が持っていた力を引き出され、
さらに強めていくことができるということでしょうか。
そしてバザールカフェの役割とは、
なのですが、バザールカフェは制度に乗っからずに運営されています。
ゆえに経営は不安定ではあるそうですが、あえて制度に則って運営することはせずに、
自分たちの大切にしていることを守り続けておられる(議論は尽くされているそうですが)
のですね。
また資金に関しては寄付を募るということに取り組まれています。
なかなか日本では寄付は肯定的に受け止められませんが、
海外では寄付文化が根付いている地域があることも確かです。
自前で稼ぐのではなく、頼ることで自立を目指しておられるのもユニークです。
またただあることの価値を根っこに持つとお話しされ、いるだけで価値がある
Being(いてもいいんだ)を可能にするDoing(役割)があることと
人を属性や制度の枠組みに当てはめず、まずは出会うことを大切にされているそうです。
これに関しては会場から質疑があり、松浦さんがお答えになったことは、
最初はBeing(いてもいいんだ)だけだったそうですが、それは本当なのかと突き詰めた時に言いきれない自分がいて、バザールカフェの日々の中でDoing(役割)があることで
Being(いてもいいんだ)が可能になっている現実があると気づかれたそうです。
今まで信じていたことを一度疑ってみて、自分たちの実践から考え直されたのですね。
まずはDoing(役割)があることでBeing(いてもいいんだ)が可能になっているという
現実を受け止め踏まえないと、いるだけで価値があるBeing(いてもいいんだ)と
語ってはいけないのでは、と考えるようになったそうです。
そして、今回のテーマの居場所についてですが、
これは講演の合間に松浦さんと話したことで一つの答えが見つかりました。
バザールカフェは場の提供を行なってこられました。
その場は誰も排除しないという場。
その場の魅力に人が集まり、集まった人たちが何か目的をもって居場所づくりを始める。
なのでバザールカフェには多様な人が集まる居場所がいくつも存在するわけです。
時には日替わりで、時には時間帯を変えて。
そう、「場」は「器」で、その「場」を活用する人がいて人が集まり「居場所」になる、
ということなんですね。
これはとても新鮮な発見でした。
しかしながら、誰も排除しない「場」を作り、維持する。
これは相当に難しく、大変なことと容易に想像ができます。
では、
この覚悟が重要なんだと強く感じました。
そしてお話から、相当の実践も積まれていることもわかりました。
そして支援する、されるという一方向の関係性ではなく…
FORではなくWITHで。
「あなたのために」はもうお腹いっぱい
「一緒にやろう」一緒に皿を洗い、一緒にご飯を食べ、一緒に考える。
このようなスタンスで日々活動されているのだそうです。
あのカフェやカフェの人たちのゆるい、自由な感じと覚悟された実践が共存する
そんな不思議な場がちょうどよいバランスで、頃合いのサイズで成り立っている・・・
これはもう、バザールカフェに行って、確かめるしかありませんね!
また昨日は時間が押している中でちょっと無茶ぶりでグループワークも行なったのですが、
ご参加いただいたみなさんがとても主体的にワークに取り組んでいただき、
素晴らしい雰囲気の中で活発な意見交換が行われ、とても清々しい空気感で学習会全体を
進めることができました。
あのような、何とも言えない、皆が思い思いに同じ方向を向いて多様に考えている場が
生まれるとは想像できていなかったので、とても驚くとともに感動しました。
これは松浦さんとご参加いただいたみなさんで作り上げたものなんでしょうね。
「ひきこもりに関する学習会第2回 居場所について改めて考える場」は
こんなに素敵な場となり終えることができました。
ご参加いただいみなさん、ありがとうございます!
そして松浦さん、感謝でいっぱいです。
心からありがとうございました!
昨日学んだことを、また日々の中でしっかり実践していきたいと思います!
さ、次は11月1日の「ひきこもりに関する学習会第3回」です。
11月1日火曜日に開催する「ひきこもりに関する学習会」第3回は
「サポートスペースゆまほほ」の代表 岡田洋之さんをお招きし、
「ひきこもり状態にある方を支えるために、今、支援者に求められること」と
題してお届けします。
当事者家族であり支援者である岡田さんでしか語れない、心に響く言葉を
フレーズをお届けいたします。
是非、ご参加いただき一緒に良い学びの機会を作り上げましょう!
お申し込みをお待ちしております!
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