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執筆者の写真乙訓もも

ひきこもりに関する学習会第2回無事終了いたしました!


本日はひきこもりに関する学習会第2回を開催し、無事終了することができました!


今回は定員を増やして開催させていただいたところ、定員いっぱいのお申し込みをいただき

35℃を超える気温の中、多数の方にご参加いただきました。





前回は「ひきこもり支援の基本」について学ぶ機会を設けさせていただきましたが、

第2回目のテーマは「地域を耕す!アウトリーチとは」。


お招きしたのは昨年度も学習会と支援者交流会にご登壇いただいた、

相談支援事業所しぽふぁーれと一般社団法人ライフラボの代表であり、

内閣府アウトリーチ上級者向け研修講師の金井浩一さんでした。










やさしいながらも熱く今回もお話してくださった金井さん!


金井さんは相談支援事業で本人が住みたい場所で安心して暮らし、本人とまわりの人たちがひとりの人としてお互いに尊重し合い、つながりあえるための取り組みや、「地域を耕す」

アウトリーチを行っておられますがその中で目の当たりにされてきたことは、

「社会的孤立」から「生きづらさ」を感じている人や「生きづらさ」から「社会的孤立」に

陥っている人、そしてそのループだったそうです。


では人々の「生きづらさ」の背景には何があるのでしょう?


金井さんは「生きづらさ」とは

「生きたいように生きられない」という「事実」と「その思い」

であると表現されました。















様々な要因が重なって人は「社会的に孤立」してしまい、

その原因のほとんどはそのひとには無く、「社会的孤立」は社会とその人の間で起きており社会的孤立の状態象の一つとして、「ひきこもり(世帯を含む)」がある。


多くの社会的孤立は、その人と社会、環境との間で起きており、

多くの社会的孤立にある人はその社会的孤立の中で、生きづらさに苦しんでいる。


であるならば、その人の生きづらさや社会的孤立の解消に向けた支援を実現するために

必要なことは?と問いを投げかけられ

1.【ケアマネジメント】

2.【アウトリーチ】

3. 【地域づくり】

4.【ソーシャルアクション】

の4つを掲げられました。


そしてケアマネジメントとは何か、ケアマネジメントで可能になることに次いで

そのかかわりで提供するものは「リカバリー」であると話されました。







ここから、今回のテーマであるアウトリーチについて触れられ、


アウトリーチ≠訪問でアウトリーチ≧訪問であると・・・


例えば「畑まで行く」だけとか「花がどのくらい咲いているか」を観に行くだけではなく、「荒れ地に行き、汗を流し、種を蒔き、耕し続ける」ことと例えて下さいました。


さらに「社会的孤立」への支援やアウトリーチにおいて、まず大切な事は、

being(存在する)の支援であるとも。


そして社会的孤立への支援における暴力性について言及された後、

最後に「利他」について述べられました。







・・・利他ってなんでしょうか


金井さんの資料によると、


利他とは他人に利益となるように図ること。自分のことよりも他人の幸福を願うこと

利他的な行動には、「これをしてあげたら相手にとって利になるだろう」という

「私の思い」が含まれる。むしろ、「私の」思いでしかない。

相手が実際に同じように思っているかどうかはわからない。

「これをしてあげたら相手にとって利になるだろう」→

「これをしてあげるんだから相手は喜ぶはずだ」→

「相手は喜ぶべきだ」となったとき、利他の心は容易に相手を支配することにつながる。


利他という美しい言葉に潜むその危険性・・・


これは支援者だけでなく親や先生、会社の上司、

いや誰しもが持ち得る危険性ではないでしょうか?




そしてハリファックスという人類学者の「自分自身を、他者を助け問題を解決する救済者と見なすと、気づかぬうちに権力志向、うぬぼれ、自己陶酔へと傾きかねません」という

言葉を引用され、私たちが危険な「利他」に陥らないためにできることは・・・


それは真摯に耳を傾け、「聞く」こと

知ったつもりにならないこと。そして、自分との違いを意識すること。

よき利他にはこのような「聞く」というケアを通じて、「他者の発見」があり、

「自分が変わる事」が含まれていて、

人とのかかわりにおいて、計画倒れをどこか喜ぶ姿勢を持つ。

計画倒れの中に、相手の力や可能性、また自分が変わる可能性があり、

自分で建てた計画に固執せず、常に相手が入り込めるような余白を持つ。

それは同時に自分が変わる可能性としての余白でもある。

この余白が「利他」かもしれない。


つまり利他とは・・・

・「聞く」ことを通じて相手の隠れた可能性を引き出すことであり同時に自分が変わる事。

・そのためには、こちらが善意を押しつけるのではなく、むしろうつわのように「余白」を 

 持つことが必要である、と結ばれました。


ケアマネジメントにおいて自分の作った計画の計画倒れをどこか喜ぶ姿勢を持つ・・・



なんとも難しく、ユニークでユーモアにあふれ、愛のある視点ではないですか。

















しかしながらお話をお聞きしていて、自分自身、胸が痛く、辛くなったのも事実です。


どこまで真の利他でいることができているのか・・・

全然できていないではないか・・・


ならばどこから手をつければいいのか。。。

そんなことを考えてしまっていました。



今回の金井さんの講演もここでは書ききれないボリュームで、

重要なキーワードが数多と紡がれ、すべてをここでお伝えすることはできません。



ですので、金井さんがお話になる機会が今後ありましたら、

是非お聞きいただきたいと思います。



そして今日、教えていただいたことを胸に、心に、脳みそに刻んで、

また明日から対象者と向き合う。

明日、教えていただいたことが実践できなくても、また次の日に取り組む。


ずっとずっと取り組み続ける・・・


それしかできないのかもしれません。


金井さんは講演の後も質疑応答に誠実に答えて下さり、

その中で地域とのかかわり方についてもアドバイスをいただくことができました。















お忙しい中、今回も濃密で有意義な時間をくださった金井さん、ありがとうございました!


また行政、支援機関、地域の方々、当事者のご家族など様々な立場で関心を持ち、

参加くださった皆様、感謝いたしております!


このような学習会を今年度もあと4回開催して参りますので、是非またご参加ください!!


このような学びを大切にして実践していくことで地域の方と一緒に

生きづらさを抱えた人たちとともに地域づくりを行っていく土壌と文化、

そしてネットワークを構築していきたい!


今、改めてそう思っています。










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