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  • 執筆者の写真乙訓もも

ひきこもりに関する学習会第3回を開催しました!重く、リアルでありながら優しい眼差しのある学習会でした。



昨日は京都府ひきこもり相談・訪問支援「チーム絆」地域推進事業による

今年度第3回目のひきこもりに関する学習会を開催しました!




今回も定員いっぱいのご参加をいただき、ありがとうございました。

皆さんの関心の高さを感じました。



第3回の学習会に登壇いただいたのは「チーム絆」で乙訓ももとも連携いただいている

京都府の中丹圏域担当の地域チーム「NPO法人ニュートラル」の町田弘樹さんです。


町田さんは18歳から30歳までの12年間にわたり、ひきこもり状態だったご経験があり、

その後障害福祉サービスの就労継続支援B型事業所の利用などを経て

現在はNPO法人ニュートラルでひきこもり支援の支援者として活動されています。


町田さんは京都府の自治体職員や支援者向けのひきこもり対応研修などにも登壇されており

私どもは何度もお話を聞かせていただいているのですが、とてもやさしい語り口で誠実に

嘘偽りのない言葉でご自身の経験を包み隠さずお話してくださる方で、乙訓ももが主催する

学習会にいつか登壇いただきたいと思っていた方です。



今回は「当事者としての経験、支援者としての言葉」と題してお話しいただきました。




町田さんがひきこもり状態になられたきっかけは、大学入学後に友人を作ろうとせずに

いたことだそうで、6か月ほどは解放感を感じておられたようですが、徐々に大学に

行かなくなったそうです。


思春期の頃から対人関係や他者との共同作業に苦手さを感じていたとも話されていました。


そして、20~24歳、25~27歳、28~30歳と期間を分けて当時の様子を語られました。


初めは精神科を受診されたり、短期のアルバイトもされていたそうです。



アルバイトをしていたら社会復帰まであと一歩、と思ってしまいがちですが、

この時の町田さんは、ひきこもり状態にあることでお母様の精神状態が不安定になったので

アルバイトを決めてきたと伝えてお母様の状態を安定させるために働かれたそうですが、

働く恐怖よりお母様が不安定であることの恐怖の方が上回ってしまったと仰っていました。














その後、お母様の状態はさらに悪くなり町田さんも心気症を発症してしまい、

支援機関からの訪問支援を受け入れ出張居場所に参加されますが、

プチ家出を繰り返されたそうです。



そして、お母様に限界が来たことがきっかけで「何かにかける」気持ちで

支援機関に行く決心をされ、30歳で初めて自らの意志で京都市内の居場所に

参加されることになります。



すると今度はお母様が支援機関の面談や家族に参加されるようになり、

お母様が使われる主語が「あなた(町田さん)」から「私(お母様本人)」に

変わったことで町田さん自身も気持ちが楽になったそうです。



ここまでご自身のご経験(よくぞここまでお話しくださったと思うくらい赤裸々に)を

お話しくださり、ひきこもり状態になる中でのプロセス(こころの動き)を

次のように示されました。




町田さんのお話の中には自己否定感や恐怖心という言葉が何度も登場していましたが、

それが当事者が日々感じている心情・感情だということですね。



そういった中で自宅に安全を求め、ひきこもるようになってしまうということ。



そして、当事者はそれぞれ異なるタイプの回復に向かう気持ちになっていくそうです。







最後にお伝えくださった「支援者としての言葉」は、


当事者は極度の自己否定感を抱えている場合が多く、

恐怖感とともに周囲の人間の表情や言動を注視しており、

1対1の居場所を大切にしている。


守りたい生活ができること。

嫌なこと、辛いことがあっても「この生活を続けていっても良いかな?」と思える日々とは

いったいどんな日々かを一緒に考えていくことが大切で、

それが「就労」なのか「福祉機関」なのか「自宅での生活」なのかは

周囲が決めることではなく、自己選択・自己決定されなければならず、

その生活を守るための選択はいずれ本人に迫られることになるというものでした。























ここまでご講演いただき休憩時間を取った後に質疑応答の時間を設けさせていただくと、

参加者から様々なご質問があり町田さんは全て誠心誠意お答えくださいました。



その答えの中で印象的だったのは、

支援者はとりあえず今の自分に出来ることをやっていく。

できることは何か?を考えることが支援。

できることをやっていくことで生まれる点と点を繋いでいく感じと表現されたこと。



できることをやっていくことで生まれる点と点を繋いでいく・・・


そもそも支援者は神様でも何でもなくできることは多くはありませんし、限られています。


だからこそ、何ができるかを当事者と一緒に考え、できることをひたすらやっていく。

そして、それをつなぎ合わせて本人の意思を第一に尊重しながら支援を行なう。


連携や包括的と言った言葉があてはまりそうです。


そして、当事者の自己選択・自己決定は絶対的に必要であり重要。


当たり前のことですが当事者主体ということですね。






ご自身の経験からご講演いただいたこの学習会での言葉は本当に偽りが無く、

重く、リアルなものでした。


また町田さんは学習会の中盤である当事者からの手紙を紹介されましたが、

ご自身がひきこもり状態であった当時のことと共感できることが多くあると話され、

このように登壇される場では幾度となく紹介をされています。


その手紙は聞いていてとても辛いものでしたが、

当事者のリアルと切実な心情が込められていました。


今回のひきこもりに関する学習会第3回「当事者としての経験、支援者としての言葉」、

当事者ご家族のご参加も多く、お聞きになられていて辛いところも多かったと思います。



しかし当事者がどのような心情で日々生きておられるか、

家族に対してもどのような気持ちを持っておられるかを

知っていただく機会にもなったのではないでしょうか?


















支援者は今日の言葉を真摯に受け止め、日々の支援に活かしていくことが求められます。


知ることから始まる。

一歩は知った時から踏み出せばいいはず。


今回の学習会がその機会になっていることを願います。


今回登壇をお願いしたNPO法人ニュートラルの町田様には、

いよいよ来週土曜に迫った「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin京都」で

パネルディスカッションにも参加していただきます。



まずは、町田さん、深い学習会をありがとうございました。

そして「ひきこもりVOICE STATION全国キャラバンin京都」では、

いい時間を一緒に作っていただきますよう、お願いいたします!



ひきこもりに関する学習会第3回、無事終了しました!

ありがとうございました!











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