さー、今週も始まりました!
乙訓ももの月曜日は就労準備支援事業の日です。
乙訓ももは長岡京市と京都府(大山崎町)から委託を受けて、
生活に困窮されているまたは生活保護を受給されている、あるいは、ひきこもり状態だが
働きたい!という思いをお持ちで自立相談支援機関が支援を決定された方に就職までの
サポートをさせていただくのが就労準備支援事業です。
今日はその就労準備支援事業の特別プログラムで企業見学に行ってきました!
今日を伺ったのは京都市南区にある「岩本印刷株式会社」さん。
「岩本印刷株式会社」さんは1956年創業 1958年設立で1968年に南区に移転され、
2012年に代表交代となり今回見学にご対応いただいた中西様が同年に代表取締役社長に
就任されました。
現在社員数は18名(男性8名 女性10名 )で内10名が直近3年間(2022-2024)での
新卒採用( 男性2名 女性8名)だそうです。
また 平均年齢35.00歳(18-56歳)で 平均入社歴9.11年(0-32)となっており、
業界としては若い人が多い会社で、女性が多く働いておられるのも特徴ですね。
会社は製造部門、営業部門、制作部門、管理部門の4つの部門で形成されており、
印刷の魅力研究所として印刷の魅力・可能性を追求し、広く発信し続けておられます。
ひと言で印刷と言ってもその内容は幅広く、「岩本印刷株式会社」さんはその中でも
オフセット印刷の設備を持っておられ、様々な紙に印刷を施され付帯する加工を
自社や連携企業で行なって供給しておられます。
今回ご対応くださった中西社長。
オフセット印刷は平らな薄い版(刷版)にインキを付けてブランケット胴に転写し、
このインキをさらに用紙に移して印刷する印刷方式で、水と油の反発を利用して、
画線部にはインキ、非画線部には水分を付着させることで、文字や写真、イラストなどを
印刷するというものです。
オフセット印刷の仕組みです。
これはオフセット印刷の版になります。
アルミでできていますよ。
オフセットで印刷するにはカラー4原色である、
青(シアン・C)、赤(マゼンタ・M)、黄(イエロー・Y)、黒(スミ・BK)が必要で、
印刷機でこの4色をズレないように重ねて印刷していきます。
「岩本印刷株式会社」さんでは参考書などの印刷を得意とされており、
様々な紙に印刷をされているとのことでした。
オフセットに限らず印刷物であればお客様から様々なご注文やご相談が舞い込むそうで、
どのようにすれば納品できるか一旦受け止めて対応するように努めておられます。
工場内には大型のオフセット印刷機がハイスピードで稼働していました。
工場内ではお茶の袋に品名などを後から印刷する、小ロットに対応するための
凸版印刷などの機械も稼働していました。
他に、CAD、レーザーカッター、刷版機、断裁機なども設備しておられ、
要望に応じて社内で加工できればきめ細やかな対応が可能ですね。
このようなペーパークラフトも自社で製作できるそうです。
またお客様にパッケージなどを提案する時に実際の形状に仕上げたサンプルを使うことも
多いそうで自社加工できるメリットを最大限に活かしておられますね。
また、乙訓ももが連携している若年女性のシェルター事業ややこども食堂を運営されている
NPO法人Happinessさんのお仕事も受注されており、福祉業界の法人には寄付ではなく、
予算の範囲内で依頼されたものを納品することで地域や社会貢献するとともに
広報活動として位置づけることでビジネスの視点を付与されているそうです。
これは、なるほど!と思いました。
そして、中西社長からは会社説明に加え、働く中だけでなく生活していく上での
コミュニケーションの重要性についてお話しくださいました。
中西社長は営業活動の中でお客様との雑談を大切にしておられ、
雑談からお客様が何を望み、何に困っていらっしゃるかを聞き出すそうです。
そして、それで明らかになったことをお客様の依頼と照らし合わせ、
印刷会社として何ができるかを考え、より良いものを提供するように
日々お考えになっているとのことでした。
これは福祉のアセスメントにほぼ同じことだなぁと感じました。
また中西社長は、どの部署に配属になったとしても営業は一度経験しておくと
後々にいい影響があるともおっしゃっていました。
これは要するに外の世界を知るということ、コミュニケーションスキルを磨くということ、
そしてつながりを作るということを意味しています。
社内だけではなく、広く、外へ開いて交わることが大切ということですね。
これも福祉事業所の職員にも言えることです。
「岩本印刷株式会社」さんの経営理念は「ものづくり」は、「ひとづくり」で、
経営方針は、
提供するコミュニケーションツールを通して、人や地域のつながりを創出します。
人の心に寄り添い、人の声に耳を傾け、人に優しく接し、挑戦する人を応援します。
仲間と共にワクワクする未来を創造し、つながる全ての人を笑顔にします。
中西社長がお話しくださったことに結び付いていますね。
今日は印刷のことだけではなく、働いて生きるとはいったいどういうことなのか、
そんなことを教わった企業見学だったように感じています。
見学したメンバーからは、
憶えることが多くて大変そうな仕事という感想がありましたが、
印刷にまつわる全てを憶えることは不可能ですし、知識はある程度必要ですが、
自分一人で抱え込む必要はないと中西社長はおっしゃっていました。
また憶えることがたくさんあるからこそ、いろんなことを学ぶことができますし
それが自分自身を成長させていくことにつながるのでしょうね。
お忙しい中、丁寧に対応いただいた中西社長、本当にありがとうございました!
メンバーにとって働くを現実的に考える、意義深い企業見学の時間になったようです!
引き続き、よろしくお願いいたします!
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